「気象病」または「天気痛」
台風が近づくと体が痛くなる現象は、「気象病」または「天気痛」と呼ばれ、気圧の急激な変化が主な原因だと考えられています。そのメカニズムは、主に以下の3つが関連していると言われています。
1. 内耳のセンサーが気圧の変化を感知する
私たちの耳の奥にある「内耳」には、平衡感覚を司る器官と、気圧の変化を感知するセンサーの役割を持つ器官があります。
• 気圧の低下: 台風が近づくと、気圧が急激に下がります。
• 内耳への影響: 内耳は、この気圧の変化を敏感に察知します。気圧の変化に内耳が過剰に反応すると、脳へ過剰な信号が送られます。
• 脳への伝達: 内耳からの信号が、脳の血管や神経に影響を与えることで、頭痛やめまいなどの症状を引き起こすと考えられています。特に、もともと片頭痛を持っている人は、気圧の変化で症状が悪化しやすいとされています。
2. 自律神経の乱れ
自律神経は、体の内臓や血管の働きをコントロールしており、「交感神経」（活動・興奮モード）と「副交感神経」（休息・リラックスモード）のバランスで成り立っています。
• 気圧の低下と自律神経: 気圧が下がると、私たちの体は外からの圧力が弱まるため、血管が膨張しやすくなります。これに対応しようとして、自律神経のバランスが乱れ、特に交感神経が優位になりやすくなります。
• 身体への影響: 自律神経のバランスが崩れると、血行が悪くなったり、筋肉が緊張したりします。これが、肩こり、首のこり、関節の痛み、だるさ、めまいなどの症状につながります。
3. 関節や体内の水分バランスへの影響
気圧が低下すると、体内の水分バランスが崩れ、むくみやすくなることがあります。
• 関節への影響: 関節は、外部の気圧に対して非常に敏感です。気圧が低下すると、関節内の圧力が相対的に高くなり、これが関節痛を引き起こすことがあります。特に、リウマチや変形性関節症など、関節に問題を抱えている人は痛みが強くなる傾向があります。
• 筋肉への影響: 湿度が高くなると、体内の水分バランスが乱れ、筋肉が硬直しやすくなることも、肩こりや腰痛の悪化につながると考えられています。
これらの複数の要因が複雑に絡み合い、台風が近づくと体のあちこちが痛くなったり、だるくなったりする「気象病」の症状を引き起こすと考えられています。特に、気圧の変化に敏感な体質の人や、自律神経が乱れやすい人は、症状が出やすいとされています。
上記の症状が出てきたら我慢せず早めのマッサージや鍼治療がお勧めです。
気軽のご相談ください！

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